社長コラム(櫻通信)

社長コラム(櫻通信)

Vol.20
夏のザルツブルグから中秋の名月へ。

お月見、庭の収穫と海風にそよぐすすき

金木犀の香りが、10月を告げてくれます。なんていい香りでしょう。
花のない季節に地味な樹木ではありますが、今朝もご近所を歩いていて、その香りの豊かさに驚き、ああ、この花を大切になさる方がこんなにいらっしゃるのだと、感心しました。秋の楽しみの一つです。
秋といえば、今年も中秋の名月を海の家で友人達(スカラ座のドンカルロを観た仲間で、語ろう会でもと!)と楽しむ計画にしていました。日中の荒れ模様の天気からは、とてもお目にかかれないと思っていた満月が見事に現れた時には感激。月は雲の間を出入りしつつも美しく海面を照らしてくれたのです。

— 改行 —

さて、少しご無沙汰していたこのコラム、沢山の感動があったのに、さぼってしまったと反省して書いています。

これなんだ?ハチ除けのおまじない!             ナフキンのたたみ方!面白い。

まずは、ザルツブルグ。このところ忙しく、あまり海外でもゆっくりすることが少なかったのですが、8月の最終週、遅い夏休みをかねて初めてのザルツブルグ音楽祭を訪ねることにしました。一週間にオペラを4回、コンサートを2回も聞きました。この音楽祭に向け、練りに練った作品の仕上がりなのでしょう。いずれも充実した音と、いいステージでした。新演出のオペラばかりでしたが、「コジ・ファン・トゥッテ」は、特に明るく、よく考えられたステージで楽しかった。毎日、午前中に一ヶ所位、モーツァルトゆかりの地,教会など観光します。ゆっくり川沿いのホテルのテラスなどで昼食をとり、あとはオペラの時は少し予習をしたり、読書や昼寝で過ごして、劇場に向かいます.小さな静かな街は、清潔で、豊かに見えます。私は、ここでは路上生活者を見ませんでした。知り合った82歳のイギリス人のご婦人は毎年一人でここに2週間程滞在しておられる由、これだ、私も老後の目標に加えたい!
それほど、安全で豊かな街は、塩で有名だったほか、際立った産業もないはず。無形の文化財のもたらす恩恵の素晴らしさに改めて感動しました。
この街の人々を幸せにし、世界中から来る人々も幸せに出来るモーツァルトやハイドンの残した音楽と、それを支え、活かす知恵と努力の遺産。特にこの街ではそれほど幸せではなかったモーツァルトの残したものは大きいのですね。
上:写真とっていい?かわいいよ、ありがとう。
下:野外劇場。生垣が舞台の袖幕に。

宝石のようなぶどうと小さなキノコ
帰国して、ちょうど、スカラ座のオペラの公演があり、また、ウイーンからもオーケストラが来たり、たて続けに贅沢な時間を持てました。
そして、9月の終わり、アン・サリーのコンサートに行きました。アン・サリーは息子が以前母の日にipod nanoをくれて、好きな音楽が一杯入っていました。多様なジャンルで楽しく、その中での出会いでした。とても好きになりました。そこでコンサート情報を知り、土曜日の午後、柿の木坂のパーシモンホールに初めて足を運びました。まず入り口で、ずらりっと並んだバギーの多さにびっくり。あ、そうか。今日は子供連れOKなのだ。これはすごい。
クラシックに慣れている私には驚きの光景でした。子供を抱きしめて聞く若いお母さんを見ていると、私も幸せな気持ちで一杯になります。時折、鳴き声が聞こえることはあっても、ほとんど気にもならず。「さあ、チャタヌガチュチュです。みんなで、楽しく・・」と誘う彼女の声、なにもわかっていないはずの赤ちゃんもあんよをぴょんぴょんさせて乗っています。マイクロフォンを通して聞く音楽の違いもあるけれど、医師として、母として、歌手として生きるアン・サリーの自然な生き方とやさしい心にしみるメッセージが聞く人にも安らぎと寛容な心を持って来てくれるのでしょうか。
これからの音楽の大切なあり方に触れた感動でした。先日新聞で、子供の為の音楽会の企画が自治体や企業でもより組まれている事を知りましたが、期待したいですね。 
この夏には、沢山バレエを観る機会がありました。第12回世界バレエフェスティバルでは、3年に一度の機会に、世界中からのトップダンサーや、若手の有望株のダンサーが東京に集まり、他ではあり得ない贅沢なダンスを見せてくれました.今年も通しのプログラムもありましたが、お得意なショートプログラムを集めた、A,Bプロ、長年のベジャールとの指導、交流への心からの感謝を伝えるオマージュ・ア・ベジャールと見応えのあるプログラムが連日のように続きました。
もちろん、多くの方々に支えられての事でしょうが、日本舞台芸術振興会と東京バレエ団を主催して来られた佐々木忠治さんのステージに掛けるミッションとパッションの成果だと思います。36年間、このようなほかでは類をみないようなフェスティバルを開催し続けられる情熱と努力に頭が下がります。トップダンサー達が我れ先に競って参加を申し出る由、最終日,公演終了後には、ステージで彼らが自主的に考え作り出す、またとない余興がまた面白いのです。

そして、先週の週末の三連休。ここヒルサイドテラスでは猿楽祭が行われました。
お天気にも恵まれ、沢山の方々が来訪されていました。チェリーテラスも「おいしく食べてきれいになろう」をテーマに、料理教室を開催。
バーミックスを使いながら、食べる青汁、フレッシュミックスに始まり、豆乳のマヨネーズのディップとお野菜のスティック、さつまいものポタージュオリーブオイルバルサミコの活躍するキノコとトマトのブルスケッタ、ごまとハニーのペーストなど、簡単に、おいしく、健康に貢献してくれる食べ方を沢山の方々にご紹介しました。普段とは違う参加者の方々、カップルで参加される方も多く、男性の方も目立ち、お子様連れ、母娘連れ、友人同士と楽しいお祭り気分が伝わります。一人の方から「実は娘が結婚いたしますので、バーミックスを買いました。これで、私ども親子は母、私と3代の愛用者になります。母は自由が丘のお宅(昔は私の自宅で教室を開催していました)で購入してお教室にもよく伺っていました」と伺い、うれしいやらなつかしいやら。
また、ある方からは、「ドッチャンはお元気ですか?」。あれ、うちの愛犬、ドッティーをごぞんじですか?「はい、夏に娘と、子供と一緒の教室に参加したんです。そのときお見かけして、娘は今も噂を・・」
そうだ、ドッチャンもちょっと参加した。ドッティー、一役買っているよ。ありがとう。
ドッティー、元気ですよ。