道具と食のコラム

道具と食のコラム

Vol.89
初めてのみそ玉と粉だし 
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先輩に「最近流行っているみそ玉って知ってる?」と聞かれ、「それって味噌を丸めるだけのものですか?」と答えてしまうくらい、何も知らない私でした。
その先輩から「みそ玉は持ち歩けて便利みたいだし、今度、チェリーテラスで後藤加寿子先生『粉だしの活用法』という料理教室があるから、参加してみたら?」と声をかけてもらいました。
料理研究家である後藤加寿子先生は、茶懐石料理研究家の第一人者であったお母様のもと、だしを始めとする伝統的な日本料理に親しまれてきた方で、だしについても日本料理についても精通されている日本料理の達人でいらっしゃいます。そんな有名な後藤先生の教室が、チェリーテラスの直営ショップ「チェリーテラス・代官山」で開催されるとは、チェリーテラスってすごい!と私もスタッフでありながら、感動してしまいました。そう、チェリーテラスでは後藤先生の他にも「アル・ケッチャーノ」の奥田シェフをはじめ、著名な料理研究家や有名シェフを招いて料理教室を開催しているのです。
料理教室ではみそ玉作りの前に、まずはバーミックスを使って粉だし作り。後藤先生曰く、バーミックスが最新機種のM300モデルになってから、とっても細かい粒子の粉だしができるようになったとのこと。

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まずはスーパーグラインダーにかつおぶしを入れてバーミックスをスイッチオンして数秒砕いた後、スーパーグラインダーにパウダーディスクを入れて再びバーミックスで数秒粉砕。たった数十秒でかつおぶしが細かい粉末になるのを目の当たりにし、私を含め生徒さん達皆、驚きの表情でした。しかも出来上がった粉だしは触ってみると、ふわふわできな粉のようななめらかさなのです。

そして次は、その粉だしを使用してみそ玉作り。
いよいよと思ったら、後藤先生はラップの上に味噌、粉だし、具を入れてラップで丸めて「これで出来上がりです」と。
あまりの簡単さに呆気にとられてしまいました!

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このみそ玉は食べたい時に熱湯を注ぐだけで一杯分の味噌汁が完成とのこと。後藤先生は「お弁当に持って行ったり、不在時に冷蔵庫に家族分を用意したり、とっても便利」とおっしゃっていました。確かにその通りですよね。
また今のように暑い時期になると、調理の際にあまり火を使いたくない、味噌汁を作ったら冷蔵庫で保存したいけれど、出来上がった直後は熱くて冷蔵庫に入れられない、平日は家族みんなで一緒に食事できないから食事の度に温め直すのは大変、と我が家では味噌汁から遠ざかっていました。でもみそ玉なら火も使わずに短時間で作れるし、食べる時に熱湯を注ぐだけだから簡単ですね。

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ラップの上に、粉だし、味噌、具材を乗せて包めばできあがり。

料理教室の後、私も実際にみそ玉を作ってみました。具材は高野豆腐とわかめと三つ葉。そして粉だしは数種類試してみました。味噌汁1杯分のみそは12g、粉だしは合わせて小さじ1/2、熱湯は150ml使いました。
1. 昆布
2. 煮干し
3. 干し椎茸
4. かつおぶし+昆布
5. かつおぶし+昆布+煮干し
どの味噌汁もだしの味がしっかりしながらも粉だしの舌触りが気になることもなく、とても美味しい味噌汁になりました。個人的には一種類のだしではなく、組み合わせた方が美味でした。次回は切干し大根などの乾燥野菜やひじきなどの具材も試してみたいと思います。だしや具材の組み合わせで、いろいろな味噌汁が楽しめそうです。
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ころんとかわいい味噌玉は、お弁当にぴったりです。

そしてこのみそ玉に使った粉だしですが、短時間で手軽にできるため、数種類作って冷凍庫にストックしておけば、いろいろなお料理に使えそうです。先週末はみそ玉以外にも粉だしを使ってみようと、かつお粉をチャーハンに入れて作ってみたところ、家族にとても好評でした。今年の夏は自家製粉だしを使って麺つゆや浅漬け、炒め物などいろいろな料理に活用してみたいと思います。

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このように粉だしに一気にハマった私ですが、実はこれまで自宅では手軽で便利なパックだしを使っていました。某有名な○○○○だしです。無添加と書いてあるので子どもに与えても安心だし、美味しいしで私の周りでも人気がありました。そのためパックだしとはいえ、自信を持って使っていました。
ただ今回の教室をきっかけに粉だしについていろいろと調べていくうちに、化学調味料や保存料無添加と謳っているだしパックにも、塩分だけでなく酵母エキス、デキストリンといった天然素材でないものが入っている場合があることを知りました。私の使っているパックだしは?と調べたところ、やはり入っていました。
なるほど、このパックだしを使って炊込み御飯や炒め物など作るといつも同じような後味を感じるのは、そのせいかと気付きました。
私にとってこの事実は衝撃的でしたが、これを機会に市販のパックだしを使うのをやめ、小さな子ども達に本物のだしの味を覚えてもらうためにも、安全な食材を使って粉だしを作ろうと心に誓ったのでした。

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日本の伝統的スープ、味噌汁をぜひ手軽に美味しくお楽しみください!