近茶流に受け継がれている、おいしいご飯の炊き方が詳しく紹介されている本です。日本人の主食であるご飯をとても大切に考えられていることに感銘を受け、ぜひクリステル鍋で炊くご飯についてお教えくださいと厚かましくもお願いし、快くお引き受けいただきました。
「ご飯は煮炊きの基本です。炊飯を知ることが料理を知ることになります」と尚之さん。
「ご飯にはおいしい『炊き方』があります。炊き方のコツさえ覚えれば、鍋で炊くのもむずかしくありません。炊飯器より短時間で、かつ手軽においしいご飯を炊くことができます」
鍋を使ってご飯を炊くと、火力の強さが米のうまみを引き出し、ふっくらと甘く、つやのあるご飯に仕上がります。なにより、「香り」が違います。ご飯本来の味に加えて、鍋の内側についたご飯が焦げ付く直前の、香ばしい香りが食欲をそそります。
日頃からクリステルもご愛用いただいている柳原尚之さんならではの、クリステルのおいしいご飯の炊き方、ご紹介しましょう。
<クリステル深鍋18cmで2カップを炊く場合>
掌(たなごころ)を使って、30回ほど研ぐ
最初の水は特にやさしく注ぎ、すぐに捨てます。乾燥した米が最初に水を吸ってふくらむときに、もっとも米が割れやすいからです。最初に入れた水は、ほこりを落とすつもりでさっと手で2-3回回してからすぐに捨ててください。米がぬか臭くなってしまうからです。
水気を切り、掌(親指のつけねのやわらかいところ)を使って、米を軽くボウルの壁に押し当てながら、米と米をすりあわせます。やさしく、シャッカシャッカと研ぐ感じです。30回ほど研いだら水を注いで、最初と同様に水を捨てます。
この作業を水が透明になるまで繰り返します。
水を捨てるときはざるで受けとめると米が流れ出る心配がありません。
オールラウンドボウルズのざるは、網目が細かいので、米がこぼれません。
またボウルは、米を研ぎやすい形状です。
米の量の20%増しの水に30分浸水が目安
水の量は普通米は米の量に対して20%増し、新米は15%増しに。浸水時間は夏なら30分、冬場なら1時間が目安です。米の芯までしっかり水分を吸収させることが重要です。
十分に吸水した米は白色へと変化します。時間を目安として最後は自分の目で見て、白くふくらんでいることを確認してください。
米の研ぎ汁は「白水」といって大根を白く下煮したり、里芋のぬめりをおさえたりする効果がありますので、ぜひ捨てずに活用してください。
白水を使ったきぬかつぎのレシピはこちらへ
強めの火で加熱→沸騰したら弱火に
鍋の側面に炎が回らない程度の強火にかけ、沸騰状態まで一気に加熱。沸騰したら弱火にして沸騰状態を維持します。「弱火で沸騰状態を維持できるのがクリステルならでは」と尚之さん。
米の表面に水分がなくなったら(2カップの米の場合10分が目安)、強火にします。パチパチと乾いた音が聞こえたら約10秒強火のまま加熱し、火を止めます。
ご飯を炊き始めたら蓋をあけてはいけないと思われている方が多いようですが、特にクリステルなら中を覗く程度に蓋をあけても問題ありません。鍋のふたをあけ、「そろそろ沸騰してきたな」とか、「そろそろ水分がなくなってきたかな」など中の状態を確認し、音をよく聞いて炊いてみてください。
ガラスふたは、ふたを開けなくても中の様子がよく見えるので便利です。
ふたをあけずにそのまま10分蒸らす
この蒸らしの時間が十分な水分を含ませ、ふっくらとしたご飯になります。蒸らす間ホットキルトに入れておくのがおすすめです。蒸らし終わったら蓋をあけ、しゃもじで天地を返して余分な水分を飛ばしおひつに移すか、蓋と鍋の間に布巾をはさんでホットキルトで保温します。
ホットキルトについて詳しくはこちらから
ご飯を炊く上でもっとも大切なのはお米をアルファ化させることです。鍋の内部の温度を手早く98℃以上の高温状態にして、一定時間キープする必要があります。
「クリステルは熱伝導がよく、保温性が高いので、弱火で高温状態をキープできるし、ふたをあけても少々のことでは温度が下がりません。手軽に、おいしいご飯が炊ける鍋といえます」と尚之さん。
ぜひ炊きたてのご飯のおいしさ、クリステルで堪能してください。
こちらもぜひお試しください。
●なすの味噌汁
尚之さんが一番お好きなお味噌汁とか。なすのおいしさを堪能できます。
●バルサミコ甘酢を使った香の物
→詳しいレシピはこちから