社長コラム(櫻通信)

社長コラム(櫻通信)

Vol.1
こうして、始まりました。

思いもかけないことにはまってしまうことがあります。
私の場合は、27年程前のこと。スイス製のバーミックスという道具に出会いました。面白いキッチン道具!けっこう簡単につぶしたり、混ぜ合わせたり、砕いたり、泡立てたりができ、すっかりとりこになりました。当時、この道具との長いつき合いがあるとは夢にも思わなかったのですが。鍋から煮た野菜とスープをミキサーに移し、つぶして、また鍋に戻して調味する。重くて熱い野菜とスープの2度の移動、子どもがそばにいないか、犬は…など確かめてから慎重に移し替え。また、使用後もミキサーの刃に注意して、洗って乾かす作業も必要。それが変わったのです。野菜が煮えたら、鍋の中にミンサーを付けたバーミックスを差し込んでガーッツとつぶす。滑らかになった野菜スープを調味すれば、ポタージュに即変身!ごまだって、すりごま、練りごまに、自在にガーッと。

やはり、便利。こうして、毎日料理好きの友人達を巻き込んで、この器械にはまっていきました。

私のバーミックス第一号

子犬!! 極上の子犬!! それはドッティー!!
忘れられない可愛い光景があります。ちょうどそのころ、愛犬に仔犬が生まれ、離乳食を作る時期だったのです。ありあわせの野菜や肉などを煮て容器に入れ、これもガーッ。この音にキッチンの一角に置いた仔犬用のサークルの柵に4匹のチビがつかまって、ちぎれんばかりにしっぽを振りながら、「頂戴!」の大合唱。とても楽しい気持ちになりました。残りものを利用して手作りできたのは本当によかった!
実は、この器械は、出会う前から知っていました。以前、友人の母上、浦松フキさんから紹介されていたからです。ご存命ならば100才近い方でしたが、ヒラリー・クリントンさんと同窓のウエルズリー・カレッジのご出身。吉川英治著「新平家物語」を英訳出版されたりと、ハイカラな素敵な方でした。「櫻子ちゃん、これは本当に便利、いいものです。いつか見つけたらお買いなさい」、とバーミックスを見せてくださったことを鮮明に覚えています。浦松さんは、短期間ヤナセさんが輸入されていた時期に購入されたのですが、教えてくださったころには、もう販売されていなかったし、もしあっても、私には少し高価過ぎたかもしれません。
いずれにせよ、様々な事に、物事の価値観を教えていただいていたこの方のご推薦は私のこの器械への信頼に大きく作用したのです。

おかげさまで、チェリーテラスからバーミックスの発売を開始して25年が経ちました。多くの顧客の方々に支えられ、発売以来54年になるバーミックスは、日本でも長生きさせていただきました。感謝いたしております。
この仕事を通して、大勢の料理関係の方々をはじめ、多くの方々に色々なご指導をいただくことができたのも本当に幸せでした。
まずポタージュづくりにはまりました。
お客様、友人達、先生方、シェフの方々、お医者様など、多くの多くの方々からいただいた宝物があります。拙い文では十分にお届けできないかもしれませんが、思いつくままここでおすそ分けさせていただきます。