今年(2005)1月からバーミックスを使い始めた千葉さんを、
千葉市郊外のお宅にお訪ねしました。
「ほら、こんなに手の荒れがなくなりました。
うれしいです・・・」と見せてくださって、お話ははじまりました。お隣の居間にお母さまがベッドでやすんでおいでです。
入れ歯がなくなった
「要介護5の91歳の母が、去年ショートステイに行った時に入れ歯をなくしてしまいました。認知症が進んでいたこともあって、新しい入れ歯を作るための型をとることができなくて入れ歯が作れなくなりました。それからミキサー食になったのですが、ずいぶんいろいろ道具を試してみました。
バーミックスは、お友だちにすすめられて、デパートに行って実物をみて買いました。一日のほとんどを母の世話で過ごしているので、食事の支度が楽になったことでどれほど助かったことか、ほんとに救われました。毎食大活躍です。」
吸い飲みにいれて
「朝はおかゆと具沢山のおみそ汁、煮豆など。一度に食べる量だけを、それぞれ器にいれて、バーミックスでつぶして吸い飲みに移します。 そしてとろみ剤を加えて飲み込みやすくしながら、食べてもらいます。 材料によってとろみのつけかたに工夫がいります。例えばお昼はバナナ一本に牛乳100cc、卵1個を入れて混ぜると、ほとんどそのまま飲み込めるんです。いままでこれをミキサーにかけると泡だらけになってしまったのが、バーミックスだと大丈夫なんですね。酸味のある材料はむせてしまうので、桃やりんご、バナナ、野菜ではかぼちゃ、じゃがいも、トマトなどが食べやすいです。」
おいしい!のしるし
「『アムアムしてごっくんよ!』と声をかけながら口の中にいれてあげると、むせることも少ないようです。『おいしかった』?って聞くと『ううん』と顔を横にふったりしますが、『おいしかったねぇ!』って言うと『うーん』ってうなずいて、ごほうびのような笑顔になってくれるんです。
『うーん』がたしかに増えました。やはり、一度に食べるぶんだけ作るので、香りとか鮮度がわかるのではないかしら。なるべくとろみ剤を使わないで食べるほうが味もいいわけですし・・・」
・・・千葉さんが見せてくださったのは分厚いノート3冊と、新聞に毎月入ってくるカレンダーを利用したお母さま山家ふくさんの介護記録でした。誰が見ても、お母さまの様子や食べたものなどをを把握できるようになっています。家の中に常に介護の人がはいるために、スケジュールをみてご家族も状況に対応できるようになっています。
既製品も使いこなして
「煮豆やコーンスープなどの既製品も取り入れています。粉のスープにかぼちゃやじゃがいもを混ぜたり、ジュースの中に生のりんごを一切れバーミックスでつぶして入れるとずっとおいしくなります。牛乳プリンはとろみをつけずに食べられるので愛用。あんまりがまんして、がんばりすぎると母を嫌いになってしまうので、時々一日外出して映画を見たり絵を見に行ったりするんです。そういう時にはちょっと作りおきしたり、主人に頼んだりしています。」
男性が面白がるバーミックス
「男のヘルパーさんや主人はこれで作るのをとっても面白がって使ってくれるんです。主人は母に食べさせるのも上手ですし、助かっています。」
栄養士の資格をもち、ずっと高校の家庭科の講師をしていらした千葉さんが、お母さまに少しでもおいしい食事を、と毎日工夫を重ねている様子がよくわかりました。 |